【令和最新版】デジタルマーケティングに使える最新のフレームワーク4選!
マーケティングには、3C分析、4C分析、マーケティングの4Pや7P、SWOT分析、STP分析など数多くのフレームワークが存在してきました。
これらのマーケティングフレームワークは、現在のビジネスシーンにおいても有効で企業のマーケティングプランの策定に大いに役立っています。
しかし、現在では主流になっているWebやSNSでの購買体験や情報共有に対して、従来のマーケティングフレームワークでは対応しきれていない部分があるのも事実です。
この記事では、提唱されたのは最近ですが、現在のマーケティング環境を考慮して多くの新規サービスやベンチャー企業で採用されている最新のマーケティングフレームをご紹介します。
最新のマーケティングフレームワーク5選
WebやSNSを念頭に置いたデジタルマーケティングで使用されているマーケティングのフレームワークを見ていきましょう。
RACEフレームワーク
デジタルマーケティングの戦略的フレームワークには、RACEと呼ばれるフレームワークがあります。
これは、顧客の購買行動を表したマーケティングファネルであり、企業の規模に関わらず採用しやすいマーケティングフレームワークです。
RACEの頭字語は、デジタルマーケティングの一環として管理するべき、重要なマーケティング活動を要約しており各ステップにおけるKPIが含まれています。
リーチ(Reach)
消費者に対して商品やサービスの情報がどれだけ届いているかを表します。またSEMやSNS、Web広告など見込み客や潜在顧客にたいしてリーチする手法を含んでいます。
アクション(Action)
消費者が購入を検討する際に必要となる要素(価格、価値、利便性、コミュニケーションなど)を指します。
コンバージョン(Convert)
消費者が実際に商品やサービスを購入する段階を指します。
エンゲージ(Engage)
商品やサービスを購入した消費者が、利用した感想や情報をSNSなどで発信する段階。ブランドや商品に対する愛着の醸成でありファンになっている状態を指します。
AARRR(アー)
顧客が購買過程でどのように移動するか、およびどの領域を改善する必要があるかを確認できるフレームワークがAARRRです。
AARRRは、「アー」と読み、Acquisition(獲得)、Activation(活性化)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益)の5つの頭文字を取って名付けられました。
主にサービスの成長段階を可視化するのに役立ちます。
それぞれの領域は次の通りです。
獲得(Acquisition)
ユーザーをどこから獲得しているかを明確にします。見込み客はどこであなたの商品やサービスを知るのか? WebやSNS広告、ブログコンテンツなどがこの項目にあてはまります。
活性化(Activation)
ユーザーが商品やサービスのWeb サイトにたどり着いた後、どのようなステップを踏んでいるか? ビジネスによっては、アカウントへのサインアップ、メールと引き換えに無料プレゼントのダウンロード、プロフィールの記入などが含まれます。
継続(Retention)
ユーザーは継続してサービスを利用しているのか?一度サイトを離れた見込み客や顧客はりぴーとしているのか? リピートするとしたらどのくらいの頻度で来訪しているのか?を明確にします。
紹介(Referral)
ユーザーがサービスや商品に満足していると、友人、家族、同僚など他の人にそのことを伝え、結果としてより多くの顧客を獲得できます。これにより、ユーザーが新しい見込み客を連れてくることから顧客獲得コストが削減されます。
収益(Revenue)
ユーザーからどのように収益を得ているのかを明確にします。コンバージョン率、ショッピング カートのサイズ、LTVなどの指標を確認します。
サービス内容が充実していても顧客が満足していなければリピートされることはなく、収益にも繋がりません。AARRRモデルを使ってサービスの成長過程を可視化することで、自社の課題を抽出しやすくなるメリットがあります。
リーンアナリティクス(Lean Analytics)
「LEAN ANALITICS(リーン・アナリティクス)」の著者であるアリスター・クロール氏とベンジャミン・ヨスコビッツ氏によって開発された Lean Analytics Stage フレームワークは、さまざまなマーケティングフレームワークの側面を組み合わせており、スタートアップ企業の成長改善に理想的なフレームワークとして重宝されています。
このフレームワークは次の5つの柱によって構成されています。
共感(Empathy)
製品開発段階では、ほとんどの時間を顧客の声に耳を傾け、彼らの課題に共感し、彼らが喜んで提供してくれるフィードバックをできるだけ多く取り入れることに費やします。
まず最初は、潜在的なニーズを見つける段階から始めます。
最小実行可能製品 (MVP) を作成するために解決できる問題を特定したら、次の段階に進むことができます。
定着(Stickness)
リピート顧客を生み出すために取り組むときは、エンゲージメントとリテンションに焦点を当てる必要があります。
顧客に、自社の商品やサービスにお金を払ってもいいと思われるようにするのがこの段階の焦点です。
エンゲージメントのベースが構築されたら次のフェーズに進むことができます。
拡散(Virality)
多額の広告費をかけて顧客を引き付けようとするよりも、製品やサービスの精度を高めて顧客の数をふやします。
収益(Revenue)
お金がなければ、すぐに廃業してしまいます。利益構造を構築していく段階です。収益目標を達成したら、最終フェーズに進むことができます。
拡大(Scale)
最終段階は、事業を拡大するフェーズです。現在の市場からの収益を増やし、潜在的に新しい市場に参入する時です。
フックモデル
リーンアナリティクスで説明した定着性と拡散性を補完してくれるのがフックモデルです。
フック モデルは、「 Hooked: How to Build Habit-Forming Products」の著者であるイスラエルの起業家 ニール・エヤル氏によって開発された顧客体験のフレームワークであり、いわゆる「ハマる」状態を創出するためのモデルです。
彼は、最も購入され使用されている製品は、習慣的な行動の一部になると説いており、フックモデルは、トリガー(Trigger)、アクション(Action)、リワード(Reword)、インベストメント(Investment)という4つのステップで構成されています。
トリガー(Trigger)
サイクルの開始は、多くの場合、プッシュ通知などの外部トリガーです。しかし、このサイクルが続くと、ユーザーはネガティブな感情を持つようになってしまうので注意が必要です。
また検索エンジンやSNSで表示される広告も外部トリガーの役割を持ち、ユーザーの興味や関心を刺激します。
アクション(Action)
フックモデルにおけるアクションとは、報酬(Reword)を見越した行動を指します。
物事を簡単に行えるようにするほど、ユーザーはそれを実行する可能性が高くなります。
ユーザーの習慣になりえるほど簡単なアクションであることが重要です。SNSなどで考えるとスクロールや投稿のシェアなどがこれにあたります。
リワード(Reword)
ここでいうリワードとはユーザーが受け取る報酬を意味しています。
リワードはユーザーにとって強い動機となり、見込み客と顧客が報酬を保証するアクションを実行する可能性を高めます。
SNSなどにおけるリワードは下記を指します。
- 他のユーザーと繋がれる
- 有益な情報を収集すること
- 有名人やインフルエンサーになる
インベストメント(Investment)
将来のためにより多くのリワード(報酬)を得るためのアクションを指します。
フックモデルは、ユーザーに製品やサービスの利用を習慣付けさせるマーケティングフレームワークなので、インベストメントまで進むとまた別のトリガーが発動する流れになっています。
まとめ
今回は、WebやSNSでの顧客体験を意識したマーケティングフレームワークを紹介しました。
マーケティング活動をしていると、マーケティングにおける手段や戦術は持っているものの、どの段階でどの手法を使うかが分からなくなってしまうことはよくあります。
また、マーケティング戦略の運用中に当初の目的とブレが発生することもままあります。
今回紹介した様なフレームワークを利用することで、現在の状況が把握しやすくなり最終目的に対してブレが少なくなり、課題に対する対策もしやすくなります。
ぜひ自社のビジネスにマーケティングのフレームワークを採用して、効率の良いマーケティングを実践してください。