難易度の低いプログラミング言語にはどのようなものがあるのか?徹底解説!

初学者向けにプログラミング言語を紹介する記事では、難易度別に言語の紹介をおこなっているのをよく目にします。プログラミングを学習する際の難しさを判断するポイントはどこにあるのでしょうか。
この記事では、初心者向けにプログラミング言語を学ぶ際のポイントや項目に分けて解説、また合わせて難易度が低いプログラミング言語も紹介します。
プログラミング言語ができること・作れるもの

世の中には数々のプログラミング言語が存在します。その数は実に700以上あるとも言われ、その種類によって作れるものも千差万別、また言語ごとに得意な分野も異なります。
例えばAIやディープラーニングに興味があるのであればPython、Webブラウザ上で何かしら動きのあるものを作りたいのであればJavascript、またiOSのアプリならShiftといった具合にプログラミング言語の特性を知り、自分の目的に合わせてプログラミング言語を選ぶことが必要になります。
下記は、それぞれのプログラミング言語で出来ることや得意な分野を表にしたものです。
出来ること | プログラミング言語 |
Web開発 | PHP,Javascript |
アプリ開発 | Java、Kotlin、Swift、C# |
サーバーサイド開発 | Java、C#、Python、Go |
AI/機械学習 | Python、C++、R |
だいたいのプログラミング言語の種類や概要を知っておくことで、効率良く学習に取り掛かれます。実際にプログラミングスクールを受講する際や検討する時に役立ちます。
プログラミング言語が難しく感じる原因は…
プログラミング言語は種類によって難易度が変わってきます。またその「難しく感じるポイント」も相性や向き不向きがあり学ぶ人によっても千差万別です。
文法や学習が難しく感じる場合もあれば、環境構築に対してハードルの高さを感じることもあります。環境構築とは、プログラムを実際に動かすための環境を整えることです。
HTMLやCSS(正確には共にマークアップ言語)、Javascriptなどのようにエディタとブラウザがあればすぐに動かせるプログラミング言語であれば環境構築は簡単に感じるはずです。
環境構築以外にも、プログラミング言語の学習で難しさを感じる要因は複数あります。
環境構築
プログラミングを行なうための場所、道具、環境を指します。
プログラミング言語や開発用ツールのインストールが必要なケースも多く、インストールの必要があるプログラミング言語は難しさを感じやすい。
初学者が挫折しやすい最初のポイント
文法
プログラミング言語の書き方のこと。
プログラミング言語ごとに文法や書き方は異なります。しかし制御構造はほぼ共通してるといえます。
何故ならプログラミング言語における文法とは、コンピューターを操作する言語のことを意味しています。コンピューターへの命令が表現できていればOKな点では、どのプログラミング言語も共通しています。
型
コンピューターに認識させる値の【かたち】を指します。静的型付け、動的型付けがある。
一般的には動的型付け言語の方が簡単とされています。
動的型付け
概要:データ型の宣言がいらない
代表的なプログラミング言語:Python, Ruby, JavaScript, PHPなど
静的型付け
概要:データ型の宣言が必要なプログラミング言語
代表的なプログラミング言語:C/C++, Java, Go, Swift
コンパイル
プログラミング言語で描かれたプログラムを解析して、コンピューターが実装可能な状態(オブジェクトコード)にプログラムを変換する作業。
初心者にはコンパイルが必要ないプログラミング言語の方が扱いやすい。C言語やJavaはコンパイルが必要なので難しいとされています。
パラダイム
プログラミングにおける考え方やルールを指します。
記述方法などの枠組みとなるものであり、命令型プログラミング、宣言型プログラミング言語、オブジェクト指向宣言型プログラミング言語など複数の種類があります。

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JavaScriptやVBAはクライアントサイド(=ユーザーの端末側)で動かせるプログラミング言語なので環境構築が簡単です。
PHPやRubyといったプログラミング言語ではコンパイルを必要としないのでこちらも初学者が学習しやすいプログラミング言語といえるでしょう。
初心者におすすめのプログラミング言語を紹介します。
JavaScript
プログラミング未経験者でも学習しやすいのがJavascriptです。
環境構築、記述共に簡単でWebブラウザ上で実行ができるので、分かりやすく学習意欲を維持しやすい特徴があります。コンパイルもなく、2か月程度で基本的なプログラミングが出来るようになるといわれています。
Web上で完結してしまうので、開発の内容によっては制御構造を学ばない可能性もあります。
環境構築 | 環境構築が簡単でエディタとウェブブラウザがあれば大丈夫 |
文法 | Webでの使用目的がわかりやすい関数が用意されているので、未経験者でもプログラムを書きやすい |
型 | 動的型付け |
コンパイル | なし |
パラダイム | マルチパラダイム。主に手続き型。(未経験者でも簡単です。)関数型、オブジェクト指向も可能 |
PHP
「Hypertext Preprocessor」の略で、サーバーサイドの典型的なプログラム言語です。
その名の通り、プログラムを実行するのはサーバーで入力された値を演算したりデータベースに保存している。
HTML内にPHPを記述して、Web上にプログラミング結果を表示させます。環境構築に各種ツールのダウンロードが必要になるが、コンパイルもなく比較的扱いやすいプログラミング言語といえます。
環境構築 | IDEの利用、XAMPPの利用、オンライン実行環境の利用など複数の環境構築方法がある |
文法 | PythonやRuby、Perl、JavaScriptなどのように、PHPでもテキストファイルにコードを書けば実行できます。PHPの場合はテキストファイルに一定の形式で書くことが必要です。 |
型 | 動的型付け |
コンパイル | 不要 |
パラダイム | オブジェクト指向プログラミング |
Ruby
RubyはWeb開発の初学者におすすめのプログラミング言語で、環境構築には、Rubyのインストールとエディタが必要です。
記述を書くのも実行するのも簡単なスクリプト言語の一つで、Rubyの記法は初学者でも動かしやすいとされています。
Ruby on Railsというフレームワークを用いることで、Rubyでのアプリ開発も容易にできるようになりました。
環境構築 | 環境構築が簡単。Rubyのインストールとエディタが必要 |
文法 | 記法はルールが緩くどのように書いてもそれなりに動くが、他人のコードが読み解きにくい側面もある |
型 | 動的型付け |
コンパイル | 不要 |
パラダイム | 主にオブジェクト指向。(未経験者でも簡単です。)関数型も可能 |
VBA
VBAはマイクロソフトのアプリケーション(ExcelやAccess)に特化したプログラミング言語で、記法もやりたいこと(処理)を上から順に記述していくだけなので比較的書きやすいプログラミング言語です。
記法に厳密なルールがないので読みやすさは人によってバラつきがあり、他人の書いたVBAプログラムを読み解くのは困難になることも。
ExcelやAccessでのルーティンワークを自動化するのに適しています。
環境構築 | VBAの動作環境として簡易なのはExcel |
文法 | 記法の自由度が高く書きやすいが、他人が書いたコードを読み解きづらいこともある |
型 | 動的型付け |
コンパイル | 不要 |
パラダイム | 主に手続き型。関数型、オブジェクト指向も可能 |
VB/VB.NET
VB.NET(ヴィジュアル ベーシック ドットネット)はマイクロソフトが開発したプログラミング言語で.NET系のアプリ開発ができて汎用性が高い特徴を持ちます。
昔からあるプログラミング言語なので日本語のチュートリアルも多く、初学者にもおすすめの言語です。「.NET系」のアプリが開発できるため、業務系システムにも強くなれます。
VBを使った新規開発案件数は年々減少しており将来性が高いとはいえないが、コンパイラ言語に慣れるためのプログラミング言語として学習するのはおすすめです。
環境構築 | マイクロソフトの統合開発環境『Visual Studio』を使えば、無料で開発環境を構築できる。インストールも簡単なので手間はかからない |
文法 | C言語やJavaなどに比べて英語の文法に近い。
コンパイラ言語だが初心者でも習得しやすいといわれている |
型 | 静的型付け |
コンパイル | 必要 |
パラダイム | 構造化プログラミング, 命令型プログラミング, オブジェクト指向, 宣言型プログラミングなど |
まとめ
今回紹介した以外にもプログラミング言語は数多く存在しており、それぞれのプログラミングによって用途や得意分野が異なることを覚えておきましょう。
最低限のプログラミング言語の種類と概要を把握しておくことは、効率の良い学習に繋がります。
自分の目的ややりたいことを明確にして、的確にプログラミング言語を選びましょう。